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2024.03.29

ー大工になるには資格が必要?大学や専門学校で学ぶべき知識・技能とはー

ー大工になるには資格が必要?大学や専門学校で学ぶべき知識・技能とはー

「将来は大工になりたい」「憧れの大工に転職したい」と思ったとき、気になるのが学歴や資格のこと。

専門的な技術や知識が求められる大工には、どのような学歴や資格が必要なのでしょうか?

当記事では、大工に必要な学歴・資格について紹介します。これから進学を考えている方はもちろん、未経験から転職を考えている方もぜひ最後まで読んで参考にしてみてください!

大工になるには学歴や資格が必要?

大工になるために必要な学歴や資格について解説します。

学歴はいらない

原則として、大工になるために学歴は必要ありません。

義務教育課程(小学校から中学校までの9年間)を修了すれば、誰でも大工として働く権利があります。早ければ、中学校を卒業してすぐに大工の親方に弟子入りする人もいます。

ただし、近年では大工の仕事内容が高度化しているため、実質は高卒以上の学力が問われることもあるようです。

また、キャリアアップするために必要な一部の資格を取るときに、高卒以上の専門的な学歴を問われる場合があります。大工として働くだけなら学歴は不要ですが、資格を取ってキャリアアップ(給料アップ)を目指したい場合は学歴が必要になるということです。

もし大工になりたくて学校の進学先に迷っているのであれば、建築系の学科がある学校を選んでみてください。高校なら工業高校や建築コースのある学校、大学なら建築学部や工学部に進むのがおすすめです。

参考:義務教育|厚生労働省

資格は必要ない

原則として、大工になるために資格は必要ありません。

何も資格をもっていなくても、誰でも未経験から大工の親方に弟子入りできます。親方のもとで一生懸命修行をして、技術のお墨付きを貰えれば、それが最も確実な資格といえるでしょう。

18歳以上であれば、車の運転免許を持っていると歓迎されます。大工の仕事は、現場への移動や資材搬入などが必要になるため、車の運転免許だけは取得しておくのがおすすめです。

また、大工が持っておくと有利な資格もあります。大工としてのキャリアアップ(給料アップ)を目指すなら、資格を取ることも検討してみてください。

参考:大工|職業情報提供サイト(厚生労働省)

大工が持っておくと有利な資格5 つ

大工になるために資格は必要ありませんが、持っておくと有利な資格は存在します。大工としてのキャリアアップを考えている方は、どのような資格があるのかチェックしてみてください。

1. 建築大工技能士

建築大工技能士とは、主に木造建築物の工事に必要な技能を認定する国家資格です。

国家資格なので、大工としての技術や経験の証明になります。資格手当が出るかどうかは会社によりますが、大工への就職や転職のときに有利になる可能性があるでしょう。

各都道府県の職業能力開発協会が実施しており、1級〜3級までの等級があります。3級はだれでも受験可能で、2級以降は実務経験が必要です。

建築大工技能士の受験資格

等級 実務経験
3級 不問
2級  2年以上(3級合格者は不問)
1級 2級合格者は2年以上、3級合格者は4年以上

資格取得のために必要とされる実務経験は、学歴や職業訓練歴等によって異なります。詳細は、厚生労働省が公表している「技能検定の受検に必要な実務経験年数一覧」をチェックしてみてください。

参考:技能検定の受検に必要な実務経験年数一覧

2. 木造建築物の組立て等作業主任者

木造建築物の組立て等作業主任者とは、労働災害防止のために定められた国家資格です。

「木造建築物の組立て等作業主任者技能講習」を受講し、修了試験に合格することで資格を取得できます。

軒の高さが5m以上の木造建築物を組み立てるとき、安全管理などの監督や指導にあたる作業責任者を設置することが義務付けられています。木造建築物の組立て等作業主任者の資格は、作業責任者として選任されるために必要な資格です。

木造建築物を組み立てるために必要不可欠な資格なので、取得することで待遇面での優遇が期待できるでしょう。キャリア形成につながり、給料アップも期待できます。

木造建築物の組立て等作業主任者技能講習の受講資格

学歴または資格等 実務経験年数
高校・高専・大学等で専門の学科を卒業 2年以上
職業能力開発促進法に基づく訓練を修了 2年以上
建築に関する学歴なし 18歳以上の年齢から3年以上

参考:労働安全衛生法施行令 第6条15の4 |e-Gov

3. 木造建築士

木造建築士は、都道府県知事からの認可によって取得できる国家資格です。

▼木造建築士の有資格者ができること

  • 2階建てまでの木造建築物の設計・工事監理
  • 延床面積が300㎡までの木造建築物の設計・工事監理

一般的な木造住宅の延床面積は、都心で70㎡、郊外でも120㎡程度というデータが出ています。つまり木造建築士の資格があれば、一般的な木造住宅や店舗の設計・工事監理に携われることになります。

木造建築を中心に行う建設会社や工務店に就職すれば、優遇される可能性があるでしょう。また、国家資格なので転職するときにも役立つと考えられます。

参考:令和5年度 住宅経済関連データ|国土交通省

木造建築士の受験資格

学歴または資格等 実務経験年数
高校・高専・短大・大学・専門学校・職業訓練校等で指定科目を収めて卒業 最短0年
建設設備士 0年
その他の都道府県知事が認可する者 所定の年数以上
建築に関する学歴なし 7年以上

参考:受験資格|公益財団法人 建築技術教育普及センター

4. 二級建築士

二級建築士とは、都道府県知事からの認可によって取得できる国家資格です。

▼二級建築士の有資格者ができること

  • 高さ13mまで
  • 軒の高さ9mまで
  • 木造建築物で2〜3階まで、延床面積1000㎡までの設計・工事監理
  • 鉄筋・鉄骨造等の建築物で、延床面積300㎡までのの設計・工事監理
  • 500㎡以下の公共建築物の設計・工事監理

現場に出る大工にとって必ずしも必要な資格ではありませんが、二級建築士の資格を持っていると、非常に多くの建築物の設計・工事監理ができるようになります。

建設会社や工務店への就職・転職時に有利で、待遇面の優遇も狙えるでしょう。また、いずれ独立して工務店を立ち上げたいと考えている方も取得しておきたい資格です。

二級建築士の受験資格

学歴または資格等 実務経験年数
高校・高専・短大・大学・専門学校・職業訓練校等で指定科目を収めて卒業 最短0年
建設設備士 0年
その他の都道府県知事が認可する者 所定の年数以上
建築に関する学歴なし 7年以上

 

参考:建築士(制度全般)|公益財団法人 建築技術教育普及センター

5. 一級建築士

一級建築士は、国土交通大臣からの認可を受けている国家資格です。

建築できる建物に制限がなく、あらゆる建築物の設計・工事監理が行えます。高層ビルや大型施設、マンション、学校や劇場などの設計には一級建築士の資格が必要です。

大工でも、もちろん一級建築士の資格を持っていれば信頼度が上がります。職場で優遇されることはもちろん、お客様からの信頼も上がり、必然的にキャリアアップにつながるでしょう。

しかし、一級建築士の資格取得は難易度が非常に高いといわれています。

現場に出る大工であれば、必ずしも必要な資格ではありません。二級建築士を取得してみて、余裕があれば一級建築士にチャレンジしてみるとよいでしょう。

一級建築士の受験資格

学歴または資格等 実務経験年数
大学卒業 2〜4年以上
3年制短大卒業 3〜4年以上
2年制短大卒業 4年以上
高専卒業 4年以上
2二級建築士 4年以上
建築設備士 4年以上
その他国土交通大臣が特に認める者 所定の年数以上

参考:建築士(制度全般)|公益財団法人 建築技術教育普及センター

学歴や資格なしでも大工になれるが、資格があると有利

原則として、大工になるために学歴や資格は必要ありません。

義務教育を修了したら、だれでも親方のもとに弟子入りして大工の技術を磨くことができます。親方から技術のお墨付きを貰えば、一人前の大工になれるでしょう。

ただし、大工としてのキャリアアップを目指すためには、持っておいたほうがいい資格も存在します。

これから進学して大工になることを考えているなら、建築関係の学科がある学校で建築の勉強をしておきましょう。すでに大工の方や、大工に転職することを考えている方は、実務経験を積みながら余裕があれば資格取得をすることも検討してみてください。