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ー大工になるには?仕事内容や向いている人の特徴も解説ー

建物を建てるとき、私たちが目にするのは完成した姿だけですが、その陰には大工たちの熱意と献身的な努力があります。
大工は、木造建築物を設計図通りに建てたり修理したりする職人であり、建築現場の要として重要な役割を担っています。
しかし、大工の仕事内容や種類、そしてその魅力について詳しく知る機会は少ないのではないでしょうか。
本記事では、大工の仕事内容と魅力について詳しく解説します。
また、大工になるために必要な経験や資格、大工に向いている人の特徴についても説明します。
この記事を読むことで、大工という職業の重要性と魅力を理解し、建築業界への興味や関心が高まるでしょう。
大工の仕事内容と魅力
大工は、建物の設計図に従って木造建築物を建てたり修理したりする職人です。
木材の加工や組み立て、現場の監督役として他の職人との調整も行います。
近年では機械化が進み、木材の裁断は工場で行われることも増えています。
大工の種類は主に、木造住宅を扱う「家屋大工」、鉄筋コンクリートの型枠を作る「型枠大工」、寺社仏閣を修繕する「宮大工」の3つです。
それぞれの仕事には高度な技術と専門知識が必要です。
家屋大工の仕事内容
家屋大工は、一般的な木造住宅の建築を担当する大工です。
木材の加工と組み立て、床や天井の下地作り、壁のボード貼りなど、住宅建築の基礎工事を幅広く行います。
最近では、木材の裁断を工場で行う「プレカット」が普及し、大工は現場での組み立てに集中することが増えています。
家屋大工は、現場ごとに異なる条件に対応しながら作業を進める柔軟性とスピードが必要です。
型枠大工の仕事内容
型枠大工は、鉄筋コンクリート建築においてコンクリートを流し込む型枠を作成します。
型枠の設置からコンクリートの流し込み、型枠の取り外しまでを担当し、コンクリート建築の品質を左右する重要な役割を果たします。
型枠大工の仕事は、コンクリートの強度をコントロールするため、熟練の技術と経験が必要です。
適切な温度や湿度の管理、水分量の調整など、細やかな作業が求められます。
宮大工の仕事内容
宮大工は、寺社仏閣や重要文化財の修繕を行う大工です。
金属部品を使わず、木材のみで建物を修繕する技術が求められます。
宮大工は全国各地を移動しながら伝統建築の仕事を行い、高い技術力が必要です。
一般的に、家屋大工としての仕事も並行して行うことが多いです。
宮大工の仕事には、日本の伝統文化を守るという大きな責任感と、歴史的建造物を修復するやりがいがあります。
大工になるには?
大工になるためには、実際の現場で経験を積むことが重要です。
未経験からでも工務店や独立開業した大工の弟子としてスタートできます。
最近では、大学や専門学校で建築について学んでから大工を目指すケースも増えています。
ここでは、大工になるために有利な資格や免許、そして大工になるために行うべきことについて詳しく説明します。
大工になるために有利な資格や免許
大工になるためには必須の資格や免許はありませんが、持っていると有利な資格があります。
木造建築物の組立て等作業主任者
労働安全衛生法に基づく国家資格で、軒の高さが5m以上の木造建築物の構造部材の組み立てを行う際に必要です。
資格を取得することで、労働災害防止のための管理責任者としての役割を担い、より責任のある仕事を任されることが増えます。
建築大工技能士
木造建築物工事に必要な技能資格で、国家資格です。
1級、2級、3級があり、それぞれ実務経験が異なります。
資格を取得することで技術の証明となり、仕事の依頼が増える可能性が高くなります。
二級建築士/木造建築士
木造建築士は、伝統的な木造建築の作業者として必要な資格です。
二級建築士の資格を取得することで、木造建築に限らず、より幅広い建築物を担当することができ、キャリアの幅を広げられます。
大工になるためにすべきこと
大工になるために学歴や資格は必須ではありませんが、現場での経験を積むことが非常に重要です。
以下に大工になるために行うべきことを説明します。
工務店に就職する
工務店に就職し、見習い期間を経て技術を習得する方法があります。
見習い期間中は体力仕事が中心ですが、棟梁や先輩大工の下でさまざまな経験を積むことで、一人前の大工になるための基礎を築けます。
独立した大工に弟子入りする
独立した大工(親方)に弟子入りすることで、マンツーマンで技術を学べます。
親方の高い技術を直接学べるため、早く技術を習得することが可能です。
一人前と認められた後には、独立開業する道が開けてきます。
大工育成の学校で学ぶ
大学や専門学校で建築について学び、基本的な技術や知識を習得してから大工を目指す方法もあります。
学校では、大工として働くための心構えや就職先を教えてもらえるため、未経験のまま就職先を探すよりも有利です。
見習い期間と修業期間
大工になるためには、3カ月から半年間の見習い・研修期間を経て採用されることが多く、その後3~5年程度の修業期間が必要です。
修業期間中は、さまざまな現場で経験を積み、技術を磨くことが求められます。
図面の読み方や技術を習得することで、一人前の大工として認められるようになります。
大工に向いている人の特徴
ここでは、大工に向いている人の特徴を4つ取り上げて説明します。
①体力に自信がある人
体力のある人は、大工に向いています。
大工の仕事は力仕事が多く、重い資材を何度も運ぶ必要があります。
さらに、炎天下や極寒の環境で作業することも多く、相当な体力が必要です。
②手先が器用な人
大工の仕事では、手先の器用さも重要です。
金槌やかんな、のみ、のこぎりなどの多様な道具を使って木造建築物を組み上げるため、不器用では務まりません。
大工が担当する仕事は建物の基礎となる部分であり、少しでも作業に狂いが生じると建物全体の品質に影響します。
力強さと繊細さを併せ持ち、注意深く作業を進める能力が求められます。
③コミュニケーション能力がある人
大工にはコミュニケーション能力も必要です。
大工は職人仕事を行うだけでなく、施主の意向を伺い、現場で調整しながら作業を進める必要があります。
周囲の職人と協力し、一つの建物を作り上げるためには円滑なコミュニケーションが不可欠です。
④臨機応変に対応できる人
臨機応変に対応できる人も大工に向いています。
建物が完成するまでには多くの人が関わり、さまざまな変更も多いです。
現場での調整役を担う大工は、建物全体の進捗状況を確認し、その都度作業の段取り考える必要があります。
突発的な事態が起きても冷静に対処し、適切な判断を下せる臨機応変な対応力が求められます。
まとめ
大工は、木造建築物の設計図に従って建物を建てたり修理したりする職人であり、木材の加工や組み立て、現場監督などの役割を担います。
大工になるには、工務店への就職や独立した大工への弟子入りなどを通じて、現場での経験を積むことが重要です。
また大工に向いている人の特徴として、体力があること、手先が器用であること、コミュニケーション能力があること、臨機応変に対応できることが挙げられます。
大工の仕事は、建物を完成させたときの達成感やものづくりの喜びを感じられる魅力的な職業です。