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ー内装工事×インテリアコーディネートで後悔しない家づくりガイドー

内装工事とインテリアコーディネートの関係
内装工事は下地・仕上げ・設備の「つくる」工程、インテリアは色・素材・家具・照明で「魅せる」工程です。別物に見えて、実は初期の計画でほぼ結果が決まります。まずは両者の役割を整理し、完成後の暮らし方から逆算して設計していきましょう。
役割分担を最初に決める
工務店・内装業者は施工精度と納まり、コーディネーターは色と素材、質感の整合性を管轄します。誰が何を決めるか、意思決定の順番、変更期限を明確にすることで手戻りをなくします。
「好き」を言語化しゴールを共有
Pinterestや雑誌の切り抜きを使い、3~5枚のムードボードを作成。「ホテルライク」「北欧ナチュラル」などキーワード化し、部屋ごとの温度感(落ち着き/にぎやかさ)も共有します。
コンセプト・色・素材の基本設計
コンセプトが決まったら、色と素材の配合を定義します。ここで迷うと現場での判断がブレます。床・壁・天井・建具・造作に一貫性を持たせ、家具やファブリックで変化をつけるのが王道です。
色は「ベース70%・メイン25%・アクセント5%」
空間の大部分を占めるベース色(床や大壁)は彩度低めで長く使える色に。メインは壁紙一面やラグ、アクセントはクッションやアートで少量投入。季節で入れ替えやすいパーツへアクセントを割り当てます。
素材は「触れる頻度×耐久×メンテ」で選ぶ
床:掃除頻度が高いので耐傷・耐水性を重視。壁:塗装は補修しやすく、織物調クロスは陰影が出て上質。天井:木目を使う場合は壁色を1トーン明るくして圧迫感を回避。建具:床との材種合わせで一体感が生まれます。
間取りと動線・収納の考え方
デザインの前に、暮らしの流れがスムーズかを検証します。動線が整えば、装飾は最小限でも「整って見える」空間になります。動線図を紙に書き、家事・来客・子育てそれぞれの経路をチェックしましょう。
生活動線は「回遊×直線」のハイブリッド
キッチン—パントリー—洗面—物干しを回遊させ、玄関—リビング—テラスは直線で抜け感を。ドアの開閉方向や引戸採用で渋滞をなくします。
収納は「出し入れ1アクション」を基準に
よく使う物は腰高〜目線、重い物は床近くへ。可動棚は32mmピッチで後から調整。クローゼットはハンガーパイプ+枕棚の基本に、季節家電の奥行を事前確認します。
照明・電気計画で「雰囲気×機能」を両立
照明はコーディネートの完成度を左右します。器具選定だけでなく、配灯・回路分け・色温度の整合が重要です。内装工事の配線段階で決めておくとコストも抑えられます。
明かりは「全体・補助・演出」の三層
全体:ダウンライトやシーリングで均一照度。補助:手元灯・ブラケットで影を消す。演出:間接照明・スタンドで陰影を作る。色温度はLDK2700~3000K、ワークは3500~4000Kが目安です。
コンセント・スイッチの配置ルール
掃除・充電・季節家電の位置から逆算して壁周囲に均等配置。床コンセントはリビング中央のスタンド用に便利。スイッチは通り抜け動線で3路・4路を組み、迷わない高さに揃えます。
予算配分と工期の考え方
限られた予算で満足度を上げるには「見える面積」と「日々触れる場所」に重点投資します。工期は仕上がり品質と直結するため、無理な短縮は避けましょう。
お金をかける所・抑える所
かける:床材・造作家具・水まわりカウンター・主要照明。抑える:ベースクロスは量産品でも配色で洗練可能。タイルは面積を絞り見切り材でメリハリを。
一般的な工程と変更期限の目安
解体→下地→配線配管→造作→下地処理→仕上げ→器具取付→クリーニング。色・素材決定は下地処理前、電気計画は配線前、造作寸法は製作発注前がラストコールです。
打合せのコツとよくある失敗回避
完成度の差はコミュニケーションの密度で決まります。記録を残し、意思決定を小さく早く回すのが成功パターン。写真・実物サンプルで「見える化」しましょう。
伝え方の工夫
A4一枚の要件定義(色・素材・価格帯・納期・優先順位)を共有。NG例(避けたい色・素材)も書くと選択肢が絞れます。打合せメモは日付・決定事項・宿題を箇条書きに。
ありがちな失敗と対策
・床と建具の木目が喧嘩:片方は節少なめを選ぶ
・キッチン横の壁に汚れ:腰壁やキッチンパネルで保護
・ダイニングの眩しさ:ペンダントの高さ調整と拡散シェード採用
部屋別インテリアコーデの要点(LDK/寝室/水まわり)
同じコンセプトでも、部屋ごとに求められる機能が違います。用途に応じて明るさ・色温度・素材を微調整すると、全体の統一感を保ちながら快適性が高まります。
LDK:集う・食べる・くつろぐを両立
リビングは低めの色温度と布系で吸音、ダイニングはテーブル幅の2/3程度のペンダントで手元を明るく。キッチンは耐水・耐油素材、足元マットで疲労軽減。
寝室・子ども部屋:休息と集中の切替
寝室は遮光・調光・間接照明で副交感神経を優位に。子ども部屋はデスク上に均一照度、壁の一面だけカラーで遊び、将来は白に戻せる設計に。
水まわり:清潔感とメンテ性
洗面は耐水カウンターと撥水クロス、鏡裏収納で散らかり防止。トイレは消臭・防汚の機能性クロス、床はフロアタイルで拭き掃除を簡単に。
家具・カーテン・ラグで仕上げる
工事が終わってからが本当の仕上げです。可動の要素を整えると、空間に「暮らしの質感」が出ます。サイズ感と通路幅、素材の相性を最終チェックしましょう。
家具は「高さバランス」を整える
大きい家具は低め、背の高い家具は壁面に寄せて圧迫感を回避。テーブルは動線600mm、イスを引くために900mm確保が目安です。
カーテン・ラグは音と温度をコントロール
厚地×レースの二重、床からの冷気対策に厚手ラグ。柄物は一室一点主義で、他は無地にして素材差で表情をつけます。
サステナブルとアフターケア
長く使える素材選定と、交換しやすい構成はコストと環境の両面でメリットがあります。メンテ計画まで含めて「完成」と考えましょう。
長持ちする選び方
可動部は汎用金物で将来交換可に。床は部分張り替えしやすい張り方向や見切り計画を。壁は再塗装可能な塗装仕上げも有効です。
お手入れルーティン
季節ごとにファブリック洗濯、半年ごとに木部オイルメンテ、年1回の照明器具清掃。これだけで質感は大きく変わります。
まとめ:失敗しないための実践チェックリスト
最後に、内装工事とインテリアをつなぐ重要ポイントを簡潔に。これを打合せに持参すれば、意思決定が早くなり、完成度が一段上がります。印刷して現場で確認する運用もおすすめです。
【チェックリスト】
・コンセプトとムードボードを3~5枚用意
・色の配分(70/25/5)を定義
・素材は「触れる頻度×耐久×メンテ」で評価
・回遊動線と直線動線を併用し渋滞ゼロ
・照明は三層構成、色温度を用途で分ける
・コンセント位置は家電と掃除動線から逆算
・「投資する場所/抑える場所」を宣言
・変更期限(電気/造作/仕上げ)を明記
・部屋別の機能要件(LDK/寝室/水まわり)を確認
・引渡し後のメンテ計画まで設定
